2019年9月7日土曜日

2019年度 第6回ワークショップ開催

2019年度 第6回「プログラミングの基本を学ぶワークショップ」が、はこだてみらい館のシアターで開催されました(9/7)。
今回も、初回体験コースははらでぃ(原田先生)、表現コースはちゃーりー(飯塚くん)、デバイス体験ラボは、じんさん(菅原さん)がファシリテーターを担当しました。

◎表現コース
◯テーマの説明
表現コースの今回のテーマは「とる」です。
ちゃーりーが「とる」から連想できるものを尋ねると、参加者からは、「ものを取る」「写真を撮る」「許可をとる」などという答えが返ってきました。「とる」と読む漢字は「撮・取・摂・採・獲・録・捕・盗・執・奪(る)」などたくさんあることからも、イメージが広がりますね。

◯サンプル紹介
今回、ちゃーりーが「とる」をテーマに用意した作品例は3つです。

サンプル1:「写真を撮る」
パソコンのカメラで写した映像から色を取り、点を打っていくことで点画のような写真を撮影するプログラムです。
点の大きさを変えることで写真の画素数が変化します。

サンプル2:「電話をとる」
電話がかかってきたら受話器を取るプログラムです。
ボタンを押すと、電話をかけることもできます。

サンプル3:「リンゴをとる」
リンゴをタイミングよく収穫するプログラムです。
リンゴの身が一番大きく、赤い状態で収穫すると高得点がもらえます。
収穫が遅くなると身が腐って落ちてしまうので注意が必要です。

◯表現活動
サンプルを見た後は、参加者それぞれが作品制作に入ります。サンプルのプロジェクトを参考にするのも、自分で新たに表現を編み出すのも自由です。
この作品は、5種類のアイテムの中から1つを取ってモンスターと戦うゲームです。
キャラクター、モンスタ、武器、背景を全てドット絵風に描き、ゲーム全体の世界観が統一されていました。
英語でプログラムをしている参賀者もいました。理由を聞いてみると、他のプログラミング言語を最近学び始めたらしく、英語ベースのプログラミング言語にも慣れるようにと、Scratchも英語表示で使っているとのこと。小学生の意識の高さにサポートスタッフの大学生も驚いていました。
そして完成した作品がこちらです。
こちらの作品は、十字キーで操作したキャラクターの座標と向きを全て記録しておき、後からキャラクターの動きを自動で再生することができるプログラムです。
こちらの作品は、写真を撮るタイミングゲームです。
画面上を動き回っているキャラクターが中央に来た時にシャッターを切ります。中心に近いところでシャッターを切るほど高得点がもらえるというゲームになっています。
カメラの絞り機構も丁寧に再現してくれました。

◎デバイス体験ラボ
デバイス体験ラボも、表現コースと同じ「とる」というテーマで作品制作を行いました。
Micro:bitとScratchを組み合わせることで、プログラムの操作方法や表現方法が広がり、デバイス体験ラボならではの作品が生まれました。
こちらの作品は、コウモリを「捕る」ゲームです。Micro:bitの傾きでキャラクターを操作し、ボタンでコウモリを捕獲します。制作中には、ストップウォッチを使って、コウモリが動くスピードを調整していました。面白いゲームを作るには、動きのタイミングや速度など、細かい部分の微調整をすることが重要になってきます。
休憩時間や早めに作品が完成した参加者は、Micro:bitが搭載されたラジコンの操作を体験しました。プログラムによってラジコンやロボットも制御できるということを知ってもらいました。これを機にMicro:bitに興味を持った方は、デバイス体験ラボにも参加してみてください。

◎初回体験コース
初回体験コースでは毎回、パソコンやScratchの基本操作を手順を追って説明し、体験してもらっています。今回は参加人数が少なかったため、保護者の方も参戦。子供に戻って体験していただきました。いつもは前半・後半の全ての時間を使って操作説明をしていますが、今回は前半:説明/後半:自由表現という形で進めてみました。参加者の興味や「飲み込み」の早さに合わせて、活動内容も柔軟に変化させてきたいと思っています。

◎成果発表会

ワークショップの終盤は、作品発表会です。参加者一人一人に作品について発表してもらいます。
このワークショップでは、自分が作ったものを他の人に説明する機会も大切にしています。これは他の参加者の作品に触れる機会でもあり、コミュニケーションスキルを高める重要な機会と考えています。
最後は今日の活動を振り返って終了です。

そして、あっという間の2時間15分でした。
みなさん、お疲れ様でした。

今回、表現コースで生まれた作品の一部は、第1回 U-16プログラミングコンテストの函館大会にエントリーされました。
みなさんの作品を発表する場として、またこのプログラミングワークショップの活動を紹介する機会として利用させていただきました。結果は後日報告します。


【ちゃーりーからのコメント】
今回のテーマは「とる」です。「とる」には取る、採る、捕る、盗る、摂る、執る、撮る、録る、獲る、穫る、などたくさんの同訓異字があります。それぞれの漢字は状況や対象と動作がセットになっているので、「〇〇をとる」のようなアイデアが作りやすいテーマだったと思います。
サンプルでは多様な「とる」を取り上げるために「電話を取る」「林檎を穫る」「写真を撮る」の3つを用意しました。
自由制作では「モノを取る」という題材が人気でした。多くの参加者が「モノ」に当たる部分に「宝石」や「鍵」などを当てはめて、ゲームやアニメーションのストーリーにおける代替可能な動機付けとなるマクガフィンとして使っていたのが印象的です。「モノを取る」以外では「録画」をテーマに、画面内で操作したキャラクターの動作を記録し、再生できるプログラムや、「写真を撮る」動作をゲームに取り入れた作品などがありました。
Scratchを使いこなせるようになると同じテーマでも様々な発想が出来るようになります。サンプルや周りの参加者の作品を手がかりに「これが出来るならあんなことも出来るかも」「これの次にはあれを試してみよう」と新しい表現の可能性をどんどん広げてみてくださいね。

【じんさんから:デバイスの紹介】
ハードウェア環境:MacbookAir、BT接続Micro:bit
ソフトウェア環境:Windows10(BootCamp)、microbit_more-0.1.0 / MacOS microbit_more-0.1.0
展示物:Micro:bit制御のロボットカー(Dfrobots micro: Maqueen 4台、TAMIYA MicrocompyuterROBOT Crawler type、ツインドリルジェットモグラ号) ラジコン制御用 GamePAD)
Windows10PCでMake:Code開発環境を展示