2019年5月18日土曜日

2019年度 第1回ワークショップ開催

2019年度 第1回「プログラミングの基本を学ぶワークショップ」が開催されました。
会場は昨年度と同じく、はこだてみらい館のシアター。「表現コース」「デバイス体験ラボ」「初回体験コース」の3つのコースの間には仕切りを作らず、 他のコースがやっていることも覗けるようにしています。
ファシリテーターは今年度も、初回体験コースははらでぃ(原田先生)、表現コースはちゃーりー(飯塚くん)です。また、新設されたデバイス体験ラボのファシリテーターは、じんさん(菅原さん)が担当します。

◎表現コース
Scratchを使った経験のある参加者向けの「表現コース」。このコースでは毎回、「今日のテーマ」として一つのキーワードを提示し、このことばをヒントに作品制作にチャレンジしてもらっています。
今回のテーマは「とぶ」です。
ちゃーりーが「とぶ」から連想できるものを尋ねると、子ども達からは、「データが飛ぶ」「空を飛ぶ」「ジャンプする」という答えが出ました。
>「データが飛ぶ」が真っ先に出たことに、ちゃーりーも驚いていました。

テーマの説明に続いては、サンプルプロジェクトの紹介です。
今回は3つの作品例を紹介しました。
* サンプル1 「ボールが跳びはねる」
ボールが跳ねる様子をリアルに再現するため、ボールが動く速度を工夫しています。


* サンプル2 「ハエが飛ぶ」
手を叩くとハエが消えるプログラムです。


* サンプル3 「チョウが飛ぶ」
実際の蝶を間近で観察して再現したプログラムです。ちゃーりーは、チョウが飛ぶ様子を観察していて、後翅が前翅よりもちょっと遅れて羽ばたいているのに気づきました。その動き方にこだわって表現したそうです。

>素材の使い方のアドバイス
蝶のサンプルは「半円+正三角形+円」で作りました。
単純な図形を組み合わせることで、複雑な形を表現できることを紹介しました。

・作品制作
サンプル紹介の後は、自由制作の時間です。
ボールが飛び跳ねているように見せるには?本当は実際にボールを使って試せると良いのですが・・・簡単な物理法則を紹介しました。
ボールが跳ねる時は、同じスピードでは動かないということを説明し、よりリアルな表現を目指してもらいました。
遠近感はどうやって表現すればいい?
CGが得意なとりっぴーが、画面上の絵を立体的に見せる方法を紹介していました。
参加者は、とても立体感のあるビル群を表現してくれました。
・立体的に見せるヒント
 >遠くのものほど小さく見える
 >遠くのものほどゆっくり動く

◎デバイス体験ラボ
今回からスタートしたデバイス体験ラボでは、micro-bitをScratchに連携させることにチャレンジしました。ノートパソコンの代わりに、RaspberryPiという小さなコンピュータを使っています。
まず、表現コースで使っているMacBookAirと自分たちが今回使うRaspberryPi、Micro:bitの共通点と違いを説明しました。RaspberryPiについては、GPIO(General-purpose input/output 汎用入出力)にLEDや各種センサーをつないで様々な装置を作ることができることなどを解説しました。Micro:bitについては、これも単独で動くコンピュータであることを説明し、Micro:bit4足歩行ロボットやMicro:bit CARをその利用例として紹介しました。
このあと、RaspberryPi上のScratchとMicro:bitを接続して、Scratchに追加されたブロックの説明と拡張ブロックによるMicro:bitへの出力を体験しました。
そして、表現コースと同様に「とぶ」をテーマに作品制作にチャレンジしました。
Micro:bitをコントローラとして利用したゲームやアニメーション作品ができあがりました。

◎初回体験コース
このコースは対象をワークショップ初参加の子どもたちに限定し、Scratchの基本操作を講座形式で一緒に体験していく内容になっています。
Scratchの起動(ウェブ版、デスクトップ版)、保存の方法、言語(かな/英数)の切り替えも含めて、順を追って説明していきます。
前半は「動き」のブロックを主に使って「Scratch Cat」というキャラクターを回転させたり、移動させたりしながら、キーボード、マウスの操作、そしてブロックを移動しながらプログラムを組んでいく過程に慣れていきます。そして、矢印キーでスクラッチキャットを自在に動かすところまで進みます。
ここで一旦休憩。
会場では、プログラミングに関する書籍もいろいろ紹介しています。「初回体験コース」の参加者には、休憩時間にこれらの書籍や他のコースの参加者の活動の様子を覗きに行って欲しいところなのですが・・・。今回は全員、休憩時間も夢中で画面に向かっていました(汗)。
休憩を挟んで、後半は「演算」ブロックや「ペン」の機能の体験、別のスプライトや背景画を読み込んで複数の素材を連携して利用する方法を試したり・・・と、自分で作ってみたいものをイメージできるところまで、説明と体験を進めていきます。

◎成果発表会
ワークショップの最後は、会場全体での作品発表会です。
「表現コース」「デバイス体験ラボ」での作品を、会場のメインスクリーンに順番に投影し、作者の解説付きで紹介していきます。
飛行機が飛ぶ、パソコンのデータがとぶ、鳥が飛ぶなど、たくさんの「とぶ」をテーマにした作品が生まれました。

◎振り返り
このワークショップでは、活動終了後に、自分の活動を振り返りシートに書き込みながら振り返る時間も用意しています。
発表会と同様、自分のやったことを説明してみる、意味付けしてみる、という過程は学びにおいてとても大切だと考えているからです。

そして、あっという間の2時間15分が終了。皆さん、お疲れ様でした。