2017年12月17日日曜日

特別講演会開催

『Why!? プログラミング』のプログラミング監修を担当されている、阿部和広先生(青山学院大学客員教授)を講師に、講演会を開催しました。


テーマは「プログラミング学習と子どもの未来」。2020年からの「プログラミング教育の必修化」についてその要点を共有し、具体的にどう実践していけば良いのか、そのヒントを事例を通して考える場として企画されました。

阿部先生からはまず、子どもたちの将来の職業、文部科学省から示された「プログラミング思考」の捉え方について、問題提起の形で示されました。


「プログラミング教育」の具体的な授業イメージとして、Scratchを使った授業実践例が紹介され、さらにその中での学びのポイントについても解説していただきました。
途中、実際にScratchをつかって課題例を実体験するコーナーも。


そして阿部先生からの最後のメッセージは「変わるべきは先生です!」。これまでの教示型授業にとらわれず、「主体的、対話的で、深い学びを」というエールが送られました。

後半の質疑では、宮田義郎先生(中京大学)にも登壇いただき、Scratchでプログラミングを学んだ先にある可能性についても議論されました。


ここの講演会の記録は「グラフィックレコーディング」という方法で、リアルタイムでの記録を行いました。

内容の詳細はこちらをご覧ください。






(グラフィックレコーディング担当:堺千里、西山凜太郎)



第7回ワークショップ 開催

Gスクエアにて第7回「はこだてプログラミングストリート2017」が開催されました。
今回のワークショップはスペシャルバージョンです。ファシリテーターは『Why!? プログラミング』のプログラミング監修を担当されている、阿部和広先生(青山学院大学客員教授)でした。


阿部先生は、「why!? プログラミングアワード」に登場したアベ先生人形もネタにしつつ、番組のウェブサイトちついても案内してくださいました。
(「ワイワプログラミング」ウェブサイトはこちら

今回のワークショップのテーマは「Scratchから外の機材へ出力する」ことです。まず阿部先生と一緒に、Scratchの基本操作を確認をしながら、スクラッチキャットの大きさが大小するプログラムを書きました。阿部先生から、「このプログラムに足りないブロックは何でしょう?」などの質問に対して、子ども達は手を挙げて答えながらプログラムを書きました。


次に、今回のキーアイテム「いぬボード」の登場です。イヌボードは音の入出力を行うことができます。まずイヌボードにLEDを差し込み、音ブロックの拍子に合わせてLEDを光らせました。


その後、まわりの光の強さに合わせてLEDを操作するプログラムを書きました。そして、ブレッドボードを使って、2つのLEDライトを光らせられるようにしました。


参加者全員に紙コップが配られ、イヌボードとLEDを使って作品を作りました。


阿部先生は子ども達のプログラムを眺めながら歩いていて、わからないところがある参加者はプログラムを教わって作品作りを行いました。
トレーシングペーパーを使ったステンドグラスのような作品、まわりの光に合わせて紙コップの顔が光る作品など様々な作品が完成しました。




阿部先生は「イヌボードを使って、こんなにたくさんの作品を作るのは初めて」と仰っていました。


最後に、振り返りシートをそれぞれ記入して、今回のワークショップは終了しました。
(文責:山内雅貴)

2017年11月19日日曜日

第6回ワークショップ 開催

Gスクエアにて第6回「はこだてプログラミングストリート2017」が開催されました。
窓の外は吹雪。しかし館内では、熱い表現活動が繰り広げられました。
会場の様子

今回のファシリテーターはちゃーりー(はこだて未来大学4年生 飯塚くん)です。まずはいつもどおり、今日初めて参加する子どもたちに向けて、パソコンとScratchの基本操作を説明するところから始まりました。
その後、今日の目標(表現の参考)として、鳥(このプログラミングワークショップのキャラクター、ピュー)が落ちてくるリンゴを時間内にたくさん食べるゲームを紹介しました。興味を持った子どもたちは、ちゃーりーの解説を聞きながら、このプログラムに挑戦しました。
鳥の「ピュー」を動かしてりんごを取るゲームを、手順を追って説明していきます

今回は説明用スクリーンの近くに初参加者の席を用意したので、少しざわざわした会場の中でも、熱心に説明を聞きながら、表現に取り組んでいたのが印象的でした。途中、参加者の保護者も子どもと一緒にScratchを始めるという場面もありました。
お父さんもかなり真剣!

 参加者の中には、スクラッチの参考書を持参してワークショップに参加する子どもたちが数名いました。参考書からやりたいことを見つけて、大学生にプログラムを質問する子や、わからない部分を参考書で調べながらプログラミングをする子など、ワークショップの時間を自分で工夫しながら参加している様子でした。
会場には参考書籍も用意しています

「プラス、マイナスってどういうこと?」

 Scratch経験者の数名は、大学生のサポートを受けながら、webカメラを使ったプログラミングに挑戦しました。制作したのは、定規をラケットに見立てたブロック崩しゲームです。
webカメラで取り込んだ映像から、4辺がマーカーで着色された定規のX軸とY軸を検知し、画面の中のボールを跳ね返します。
白い背景やスタンドライトを設置して、ラケットと背景の彩度差と明度差をはっきりとさせるなど、webカメラで値を検知しやすいように調節を行いました。

 最後は今日の振り返りをワークシートに記入して、活動を締めくくりました。
振り返りでは、今日試したことと、これから試したいことを、書いてもらっています

 解散する前に、中学生がワークショップ中に作ってくれた、webカメラを使ったブロック崩し作品の紹介をしてくれました。またちゃーりーからも、炎と水を表現したプログラムや、webカメラを使った音楽ゲームが事例として紹介され、「お家に帰って、挑戦してみよう」というメッセージとともに今回のWSは終了しました。
 次回12月のワークショップは、特別ゲストありのスペシャルバージョンです。お楽しみに。
(文責:山内雅貴)

2017年10月8日日曜日

第5回ワークショップ 開催

Gスクエアにて第5回「はこだてプログラミングストリート2017」が開催されました。今回のガイド役はさんちゃん(はこだて未来大学大学院2年 三野宮くん)です。


今回もいつものように、まずScratchを初めて使う参加者と一緒に、Scratchの基本操作の確認を行いました。その間、すでにScratchをある程度操作できる子どもたちは、それぞれの興味に従って表現活動を進めることになります。
基本編が終了したところで、今回は子どもたちがやってみたくなるようなテーマを作例として示すことにしました。今回のテーマは「接触判定」です。「ピュー」というキビタキのキャラクターを動かしながら、2つのスプライトがぶつかった時にイベントが起きるプログラムに挑戦してみようと提案しました。


まず、スプライトの動きの練習です。キャラクター「ピュー」にペンツールを組み込んで、丸型、四角型の軌跡を描くプログラムを制作しました。次に、ピューのスプライトがマウスカーソルを追いかけるようなプログラムを考えてみました。「◯歩 進む」「マウスポインターへ向ける」ブロックを組み合わせると、ピューの動きをマウスカーソルに向けることができます。


ピューを動かせるようになったら、別のスプライトをステージ上に新しく配置します。リンゴなどのスプライトにピューが触れた時に「おいしい!」というプログラムを組み立てました。
ここで、ガイド役から簡単なゲームづくりの提案がありました。落ちてくるリンゴにコンが当たらないように、ピューがリンゴを食べてコンを助けるゲームです。ガイド役からの説明を参考にしながら、スプライトを使ったゲームを制作に挑戦した子どももいます。キャラクター「コン」のスプライトもステージ上に新たに配置して、ゲームの形を作っていきました。

最後は参加者全員で、他の子どもたちの制作した作品を見てまわり、今日の活動の振り返りを行いました。


今回は、スタッフの人数も少し多めで、子どもたちと共にプログラムを制作していた点が良かったと思います。
全10回を予定しているこのワークショップは、残り5回となりました。次回もお楽しみに。
(文責:山内雅貴)

2017年9月17日日曜日

パソコンを使わないプログラミング体験vol.2

以下「函館市青年センター 活動日誌」より
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パソコンを使わないプログラミングワークショップ第2弾が9月17日(日曜日)に開催されました。
前回同様、いろいろな指示が記憶されているブロックを組み合わせてプログラミングを作ります。
2人ずつ力を合わせてブロックをつなぎひとつの動き、プログラミングをつくります。



そして同時にパソコンでも外部デバイスの「なのぼーど」を使って音や光の反応でプログラミングを動かします。


通常とは違う道具や方法を体験することでプログラミングの大切が部分がみえてきたと思います。


これからの青年センターのプログラミングワークショップは中上級クラス対象のワークショップを開催する予定です。
予定が決まり次第お知らせいたしますのでどうぞお楽しみに!
副セン みうら
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以上

2017年9月16日土曜日

第4回ワークショップ 開催


Gスクエアにて第4回「はこだてプログラミングストリート2017」が開催されました。
このワークショップは、初めてScratchを使う人とある程度Scratchが使える人が入り混じって活動するのが特徴です。毎回、最初にScratch初体験の参加者に向けて基本的な操作方法を説明し、そのあとは一人ひとりの興味に従って表現活動を進めていきます。


ワークショップの導入は、いつもはキャラクターの「コン」を歩かせる方法から入っているのですが、今回はちょっと趣向を変えて、「ペンツールを使って軌跡を描く」ことに挑戦しました。「ピュー」という、キビタキのキャラクターを動かしながら、いろいろな図形を描いていきます。


まず、Scratchを初めて使う参加者と一緒に、Scratchの基本操作の確認と前回の振り返りを行いました。
基本編が終了し、キーボードの操作に合わせて鳥のキャラクター「ピュー」のスプライトが移動するプログラムを書きます。「◯歩 進む」「時計(反時計)まわりに ◯度 動かす」ブロックを組み合わせると、ピューの移動と方向転換ができます。ピューを動かせるようになったら、ペンツールを組み込んで、丸型、三角形、四角形の軌跡を描くプログラムを制作します。
この時、タートルグラフィクスという描画ロボットについて紹介しました。
(シーモア パパート『マインドストーム―子供、コンピューター、そして強力なアイデア』未来社、1995)
ペンツールのコツはペンを「あげる」「さげる」ブロックを使う事です。また、四角形をなぞって進む時にどんな作業が必要になるか、自分がピューに成りきって考えながらプログラムを制作しました。


軌跡を描けたら、それぞれがプログラムを改変し、図形を描きながらキーボード操作できるプログラムや、連続した図形を描けるプログラムなどを制作しました。


毎回ワークショップ後は、「人材育成プログラム」としてスタッフ全員で活動内容の振り返りを行なっています。やりたいことが見えず「固まってしまう」参加者には学生や大人のフォローが必要です。徐々にサポート無しで作品制作を進められるようになってきましたが、参加者のやりたい事を引き出すためのサポーターの関わり方について、試行錯誤を続けています。参加者から「楽しかった」「また来ます」と言ってもらえるよう、これからも工夫しながらワークショップを続けていきます。
(文責:山内雅貴)

2017年8月27日日曜日

Scratch Conference 2017 Budapest

2017年8月23日〜25日、ブタペストのエトヴェシュ・ロラーンド大学を会場に開催された、Scratch Conference 2017 Budapestに、このプログラミングワークショップの実践メンバーが参加してきました。

8月24日:1日目
9:00~

参加受付を済ませ、AuditoriumAB会場でミッチェル・レズニックの基調講演を聞きました。講演後はレズニック教授と記念撮影をしました。


次のセッション、AuditoriumA会場でのトップバッターは上芝智裕先生(中京大学)です。ネオピクセルというテープ状のLEDを「1Dグラフィック」と呼び、スクラッチと繋げるための仕組みを発表しました。ちゃーりー(飯塚)は、壇上で発表のサポートを行いました。


その後、2つのセッションを聞きました。午前のセッション終了後に上芝先生の元へ質疑応答の方が集まっていました。

12:00~
ランチは吹き抜けのロビーでビュッフェでした。この時間は多くの参加者が同席しており、ウクライナ、アルメニア、ベラルーシ、ハンガリーから参加している方々と交流できました。


途中、ちゃーりーが現地のテレビ番組から取材を受け、「カンファレスはどうですか?」という質問に「WSでスクラッチをやっていて楽しい!」と英語で答えていました。

13:30~
午後のセッションでは、エンジニアにおける自発的な学習者とそうでない人の統計のセッションなど、4つのセッションを聴講しました。
コーヒーブレイクを挟み、やっしー(八城)が発表するポスターセッションが始まりました。


レズニック教授からは、「小さい子は理解しやすい形かもしれない。しかし、小さい子が使う時に、なんとなく組み合わせたら光って、それが楽しい、とならないための仕組みを考えなければならない。」ということと、「スクラッチで理解できなかったことをこのツールで理解できたら、興味深い成果だと思うよ。」という意見を頂きました。


8月25日:2日目
11:40~
AuditoriumB会場でMaxim Makarovさんのセッションを聞いた後、宮田義郎先生(中京大学)の発表を聞きました。ワールドミュージアムプロジェクトに関する発表で、プロジェクトの活動と統計結果に、アージ理論を当てはめながら発表しました。


12:30~
ランチの後、キッズスペースの横で原田先生(はらでぃ)とチャーリーの発表準備を行いました。ポペット君の組み立てはこの時に行い、数人の方から撮影を求められました。



15:25~
AuditoriumA会場で原田先生と飯塚君のセッションを聞きました。共創や相互作用を促すような新たな学びの場作りを目指していて、Scratch de Ogiriを提案しました。PoppetShowとWonder Musical Instrumentsのような活動を経て、「作る」「パフォーマンスする」「評価する」というサイクルを持っています。今回はスクリーンと人形劇でデモを見せました。


原田先生たちの発表後、アーテックロボットに関するセッションを聞いて、今回のScratchカンファレンスは終了しました。



文責:山内雅貴