2019年8月3日土曜日

2019年度 第5回ワークショップ開催

2019年度 第5回「プログラミングの基本を学ぶワークショップ」が、はこだてみらい館のシアターで開催されました(8/3)。
今回も、初回体験コースははらでぃ(原田先生)、表現コースはちゃーりー(飯塚くん)、デバイス体験ラボは、じんさん(菅原さん)がファシリテーターを担当しました。

◎表現コース
◯テーマの説明
表現コースの今回のテーマは「たまる」です。
ちゃーりーが「たまる」から連想できるものを尋ねると、参加者からは、「(ショッピングなどで)ポイントがたまる」「得点がたまる」などという答えが返ってきました。他にも、水が溜まる、お金が貯まる、などいろいろイメージが広がりますね。


◯サンプル紹介
今回、ちゃーりーが「たまる」をテーマに用意した作品例は2つです。
サンプル1:「パワーを溜めて戦う格闘ゲーム」
2人対戦型の格闘ゲームです。それぞれのキャラクターが、1ターンごとに「攻撃」「パワーを溜める」「守備」のいずれかを選びながら対戦します。3つのうちのどれを選ぶか相手には見えないため、相手の心理を読みながら楽しめるゲームになっています。また、3つのメニューの現れ方などのアニメーション表現にもこだわっています。
サンプル2:「お小遣い帳アプリ」
収入、支出と残金を記録できるプログラムです。お小遣い帳のようにお金の出入りをリスト形式で表示することができます。このプログラムを元に、お金の出入りをグラフなどで可視化してみるのも面白いかもしれませんね。

◯自由制作
サンプルを見てもらった後は、自由制作に入ります。

この作品は、工場の製造ラインを動かすアニメーションです。
単純な図形を組み合わせることで、工場の製造ラインを表現しています。また、製造ライン上のものは、x座標、y座標と移動時間を細かく指定し、リアルな動きを感じられるようにしています。
工場である製品が製造されることでお金がたまり、徐々に新しいものを作れるようになって、よりお金が貯まるようになる・・・というストーリーです。

この参加者は、クリックするたびに海中に魚がたくさん溜まっていくプログラムを作りました。海中に落ちているゴミを描くために、実物の紙コップを持ってきて、細部までよく観察して表現していました。

こちらの作品は、ドラゴンと戦うゲームです。
キャラクターも背景も全て自分で描いています。モンスターは、5つの別々のスプライトを連動させて動かすことでドラゴンのような動きをさせました。複数のスプライトを連動して動かすところに苦戦していましたが、最終的にはうまく表現することができました。
ダメージを与えるとドラゴンの体が短くなってゆき、ドラゴンの体が完全になくなるまでダメージを与えるゲームになっています。

◎デバイス体験ラボ
デバイス体験ラボでは、Scratchとmicro:bitを連携させた作品を作ります。micro:bitの各種センサーを利用すると、micro:bitの傾きやボタン操作でScratch上のキャラクターなどを動かせるようになり、表現の幅が広がります。
まずはじんさんが、MacBookAirとRaspberryPi、micro:bitの共通点と違いを説明しました。それぞれの道具の特徴を理解して使うことは大切なことであると考えています。
次に、micro:bitを搭載したロボットやラジコンを紹介しました。Scratchとmicro:bitを組み合わせて使うことで、画面上の表現だけでなく、実際に物を動かせるようになります。

一通り説明が終わったら、表現コースと同じ「たまる」というテーマで自由に作品制作をおこないます。
micro-bitの機能を生かした、素敵な作品がたくさん生まれました。

◎初回体験コース
いままでScratchを使ったことがない・・・という参加者向けに、パソコン操作も含めてScratchの使い方を一通り体験するのが、この「初回体験コース」の活動です。
前半は、「○歩動かす」「○度回す」「x座標を○ずつ変える」などの動きブロック、「旗が押されたとき」「矢印キーが押されたとき」などのイベントブロック、「もし○なら」「ずっと〜」などの制御ブロックを組みあわせて、スクラッチキャットを様々に動かす体験をします。休憩を挟んで後半は、調べるブロック、演算ブロックなども組み合わせて、プログラムならではの動きや処理を体験していきます。


◎成果発表会
ワークショップ終盤では、参加者が作ってくれた作品を会場のメインスクリーンに投影しながら、ひとりずつ自分の作品について紹介してもらいました。

◎振り返り
最後に振り返りシートに、今日やったこと、気づいたこと、次回挑戦したいことを書いてもらいました。今回のワークショップでやったことや考えたことなどを、その場で振り返る時間です。

そして、あっという間の2時間15分が終了。
みなさん、お疲れ様でした。


【ちゃーりーからのコメント】
今回のテーマである「たまる」は水たまり、宿題がたまる、ひとたまりもないというような、ストーリーを持つものから、ポイント・得点がたまるなどゲームの中で使えるよなアイデアまで様々なシチュエーションが想定されるテーマでした。サンプルでは、力を溜めて攻撃する対戦型のゲームと、コマンド入力で使えるお小遣い帳(お小遣いを貯める)の二つを用意しました。発想が難しいテーマだったかなという心配をよそに、参加者は素材をためてアイテムを強化するゲームや、クローンされた文字が溜まってゆくアニメーションなど、バラエティに富んだ作品が出揃いました。また、サンプルの作品をなんとか自力で再現しようと奮闘する様子も見られました。実はサンプルの作品たちは、Scratchでできる表現の可能性を知ってほしいという思いから、少し難しい作りをしています。そんなサンプルを自分なりに解釈して再現してみるととっても良い学びになります。新しいアイデアも浮かんでくるかもしれません。

【じんさんから:使用デバイスの紹介】
ハードウェア環境:RaspberryPi3B+20インチモニタ、キーボード、マウス、USB接続Micro:bit、MacBookAir、BT接続Micro:bit
ソフトウェア環境:Rasbian日本語環境、s2mによりScratch2.0オフラインエディタをMicro:bit拡張モードで起動
Windows10(BootCamp)、ScratchDeskTopwithMicro:bit