各コースのファシリテーターは、
・初回体験コース:はらでぃ(原田先生)
・表現コース:ちゃーりー(飯塚くん)
・デバイス体験ラボ:じんさん(菅原さん)
が担当しました。
◎表現コース
〇テーマの説明
今回のテーマは「かく」です。
〇サンプル紹介
今回ちゃーりーが用意した「かく」をテーマにしたプログラムはふたつあります。
マウスで画面上に自由に絵を描くことができるアプリケーションです。
基本的なドローイング機能である、ペンの太さや色の変更、消しゴム機能、Undo/Redo機能などはもちろん、書き出し/読み込み機能も搭載しているので、画面上に描いた絵を保存したり、SVG出力して他のScratchプログラムで読み込むことでスプライトとして動かしたりもできます。
キーボードで入力した文字列を画面上に表示するプログラムです。
文字入力は、普段使っているコンピュータの最も基本的な機能の一つですが、Scratchでつくるのはなかなか大変です。
文字を画面上に読みやすく表示するためにはどのような工夫がされているか考えてみるきっかけにもなるかもしれません。
〇表現活動
今回は「かく」というテーマから、画面上に絵や図形を描くことができる、Scratchの「ペン機能」をつかってくれた参加者がいつもより多くいました。
マウスで画面上にドローイングする作品:2本の鉛筆を持ち替えられるように工夫しました。 |
画面上に図形を自動で描画する作品:図形が描かれる場所を乱数で決めています。画面外にはみ出ないように乱数の範囲を調整するのに苦労しました。 |
アルゴリズムをループで実行することで幾何学的な模様を生成する作品:なんども試行と修正を繰り返し、綺麗な模様になるように頑張りました。 |
ペン機能を使いこなすには、線の太さや色のほかにも、スプライトの中心位置や動きの軌跡などを考える必要があります。思い通りの動きをさせるために参加者が試行錯誤している様子は、スタッフにとっても期待している展開であり、熱く(!)サポートしています。
正しい漢字を選択する2択クイズ |
画面上の漢字をなぞって覚える漢字ドリル |
どちらの参加者も、はじめはマウスで書いた文字をコンピュータに正誤判定させようと考えていましたが、自力で実現できる形を模索した結果、ひとりは2択クイズ、もうひとりは画面に表示された漢字をはみ出ないようになぞるゲーム性のあるプログラムを作ってくれました。やりたいことが見つかるとそれが入口になり、探究心も高まります。その先には人工知能や機械学習などの知識や技術と出会う機会も待っているはずです。
縦スクロールのシューティングゲーム:コスチュームからステージまで全て自分で描いてゲームの世界観を統一しました。 |
オリジナルキャラクターを動かす作品;Scratchの描画機能でオリジナルのキャラクターつくりました。 |
◎デバイス体験ラボ
◎初回体験コース
人数が多いと、どうしても参加者それぞれの活動のペースに差が出てしまうので、それぞれの進み具合や顔色(!?)を見ながら、毎回素材や説明内容を調整して、少しでも楽しさを感じてもらえるように工夫しています。今回はScratchキャット(Scratchを開くとあらかじめ表示されるネコのキャラクター)とボールやリンゴなどが絡み合う表現までたどり着きました。
◎成果発表会
ワークショップ終盤の30分間は、表現コースとデバイス体験ラボに参加してくれた皆さんの作品発表会をします。
◎振り返り
最後に振り返りシートに参加者自身の言葉で作品や活動について振り返ってもらい、ワークショップは終了です。
【ちゃーりーからのコメント】
今回のテーマは「かく」でした。様々な「かく」が想定される中で、サンプルでは「描く」「書く」の二種類を作ってきました。プログラミングは絵やアニメーションや音楽、ゲームなど様々な表現が可能なツールです。しかしそれだけではありません。何かを作るときに必要になる「道具」すらも作ることができます。サンプルで提示した多機能なペイントツール「Scratch Paint」はScratchのスプライトで使える絵を描いて出力することのできるペイントエディタです。操作を間違えたときに取り消すことができる「Undo/Redo」の機能もついています。「Minimal Typewriter」はその名の通り最小限の機能を備えた英字タイプライターで、これも「.txt」形式の文章出力、文章入力に対応しています。そう、どちらも「描く」「書く」を生み出すための道具なのです。
表現コースとデバイス体験ラボの自由制作では、「かく」という動作を巧みに使った作品がたくさん生み出されました。Scratchのペンツールを使ったペイントソフトや、美しい幾何学模様を描くプログラム、ゲームの中にペンで道を描きながら進む斬新なインタフェースなど、それぞれの思い描く「描く」が詰まった作品。「Minimal Typewriter」を自分なりに実装したものや、漢字の書き取りクイズなど「書く」を表現した作品もありました。
自分や身近な誰かが使うことを想定してモノづくりに取り組むことはとても素晴らしい体験になります。作ることの先に使うことを想定すると、ただ作るだけでは見えてこない視点が手に入るからです。より楽しく、よりスムーズに使える方法を考えることはつまらない制約ではなく、新たな発想の源なのです。
【じんさんから:デバイスの紹介】
・ハードウェア環境:MacbookAir、BT接続Micro:bit
・ソフトウェア環境:MacOS microbit_more-0.3.0 デスクトップ環境(オフライン)
・その他:ハンディLEDライト、磁石
・展示物:Micro:bit制御のロボットカー(Dfrobots micro: Maqueen 1台、TAMIYA MicrocompyuterROBOT Crawler type、ツインドリルジェットモグラ号) ラジコン制御用 GamePAD)
・Windows10PCでMake:Code開発環境を展示