各コースのファシリテーターは、
・初回体験コース: はらでぃ(原田先生)
・表現コース: ちゃーりー(飯塚くん)
・デバイス体験ラボ: じんさん(菅原さん)
が担当しました。
◎表現コース
◯テーマの説明・サンプル紹介
雨が降っている様子を表現しました。円の大きさと落下速度を調節することで、平面な画面上で立体感を持たせています。立体感を出すためには、どのように調整すれば良いかよく観察してもらえると嬉しいです。
古い振り子時計で「古」と「振る」の2つの「ふる」を表現してみました。時計が指している時間は実世界の時間と一致するようにしています。また、振り子時計の振り子は0.5秒間隔で動いて秒針を進めているというところも忠実に再現しました。
マイク入力を使って、声の大きさを計測し、声量ケージをFULLにするプログラムです。瞬間的な声の大きさの数値と声量がどのくらい溜まっているかの数値の、2種類の異なる性質を持つ数値をうまく使うことがこのプログラムを作る際のポイントです。
○自由制作
Scratchのカメラ入力と色判定機能を使って、カメラで写した赤い折り紙にだけ雪が積もる作品を作ってくれました。最初は、カメラで赤い色を読み取るとき、同じ赤い折り紙でも光の当たり方によってコンピュータが読み取る「赤」が変わってしまうため、うまく雪が積もりませんでした。そこで、様々な明るさの赤をプログラムの条件の中に入れて、正しく読み取れるように調整しました。
スタート画面で「キーボード連打ゲーム」と「タイピングゲーム」の2つのミニゲームを選べるようになっています。どちらのゲームも、正解するとゲージが溜まっていき、ゲージが「FULL」になったらゲームクリアです。ゲージは数値だけでなく得点が貯まっている割合を視覚的にも表示するなど、プレイヤーが直感的にゲームしやすいように工夫されています。スタート画面のグラフィックデザインにも、こだわってくれました。
◎デバイス体験ラボ
今回は、micro:bit初体験の参加者2名と経験者1名がデバイス体験ラボに参加してくれました。micro:bit初体験の参加者には、パソコンのキーボードやマウス以外のデバイスも使えることを知ってもらい、明るさセンサ、地磁気センサなどを制御するためのブロックを紹介しました。簡単な説明の後はすぐに自由制作に入ってもらいます。
micro:bitを振ると画面の炭酸飲料も振られて、缶を開けると中身が吹き出る、という作品です。micro:bitが振られていることを知るためには加速度センサを使いました。micro:bitを使うことで、キーボード入力やマウスでの操作ではできないような身体を使う表現をすることができました。
◎初回体験コース
◎成果発表会
◎振り返り
発表会が終わったら、振り返りシートを記入して、ワークショップは終了です。
今回のワークショップで印象的だったのは、参加者がファシリテータの学生たちと対等に!?話している姿や、アイデアを練るために紙とマーカーを使ってアイデアスケッチを描いている姿です。
【ちゃーりーからのコメント】
今回のテーマは「ふる」でした。降る、振る、古、フル(FULL)などいくつかの「ふる」をサンプルとして用意しました。「雨が降る」はとてもシンプルなアニメーションですが、雨粒の大きさや速さや色がそれぞれ異なり、立体感のある雨が降るように工夫されています。「古時計」は振り子時計の内部機構を意識して針の動きや音を作り込んでいます。「VolumeCharger」は音を謎のエネルギーとしてチャージする謎の機械です。場を盛り上げるときに使います。
さて、今回のサンプルではそれぞれ異なる裏テーマを込めて制作しています。まず、「雨が降る」ですが、「動きの抽象化」に着目しました。ただの小さな円が複数上から降ってくるだけなのですが、色や動きの強弱でそれは雨にも雪にも見えます。雨に見えるように調整するには動きや見た目の特徴をよく観察し、プログラムで扱える数値として落とし込まなくてはなりません。次に、「古時計」ですが、「観察と再現」です。振り子時計をそれらしく見せるのはそう難しいことではありませんが、細かい部分にも目を向けるとそれがどんな仕組みで動いているのかを意識しなければなりません。よく観察をし、仕組みを理解して初めて再現することができるようになります。最後に「VolumeCharger」ですが、これは「場のデザイン」がテーマです。前回のワークショップで2択の漢字クイズを作った参加者が発表会の場を大いに沸かせていました。それを見て、サンプルでも何か観客が参加できるような作品があったら発表の仕方にも意識が向くのではと思い、インタラクションのある作品にしてみました。
表現コースとデバイス体験ラボの自由制作では、野球のバットを「振る」と、画面の上からたくさんのものが「降る」が人気でした。同じ野球の動作を再現するアニメーションでもカメラの構図が違ったり、ボールの軌跡が工夫されていたりと着目する点が異なり、発表会では様々な視点を見ることができました。Scratchのカメラ機能を使って現実世界の物体に画面上の雪が積もるプログラムを作った参加者は、Scratchで扱えるカメラ機能の特徴や得手不得手を実際に試しながら作品制作を行なっていました。
参加者の作品制作を見ていると、僕自身サンプルを作っているときには思いつかなかった新たな視点にたくさん気付かされます。参加者のみなさんもワークショップでアイデアや気づきをたくさん持ち帰ってモノづくりに生かしてもらえたらと思います。
【じんさんから:デバイスの紹介】
ハードウェア環境 MacbookAir、BT接続Micro:bit
ソフトウェア環境 MacOS microbit_more-0.3.0 デスクトップ環境(オフライン)
※ハンディLEDライト、磁石
展示物:Micro:bit制御のロボットカー(Dfrobots micro: Maqueen 1台、TAMIYA MicrocompyuterROBOT Crawler type、ツインドリルジェットモグラ号) ラジコン制御用 GamePAD)
Windows10PCでMake:Code開発環境を展示